赤い屋根・小野浩さん②

~なぜ豆腐をはじめたんですか。

町のお豆腐やさんは、実は減っていっているんですよ。
全国豆腐連合会というのがあるんですが、
3日に一件の割合でなくなっていってるようです。
その原因は売れないのではなく、
代替わりがうまくいかないというのが第一の理由なんです。
消泡剤(泡を消す薬)や防腐剤を使わずに、
国産大豆、天然にがりの手作り豆腐というのは、
大量生産になじまないんです。
豆腐をつくるときにはたくさん泡がでるんです。
スーパーで売っている豆腐は、
消泡剤で泡を消しているんです。
手作り豆腐は泡が消えるまで
時間をおかないといけないってことで
たくさんつくれないんですよね。
昔ながらの豆腐というのは、
消泡剤、防腐剤を入れないんですよね。
だからうちの豆腐も少し泡が残っているんですが。
でも、おいしいです。
天然にがりを使っていますし、
大豆のうまみも残っていますから
合成化学調味料を使う必要もないんです。
そういう豆腐というのは、
やはり町の豆腐屋さんでしかできないんです。

ですから、3日に一件、
町のとうふやさんが消えていくのであれば
昔ながらのとうふやさんを
障害のある人の仕事として復活させるという点で
共同作業所の仕事として、あっていると思うんです。

障害のある人の仕事として適している点が、まだあるんです。
大きくふたつあって、ひとつは
家計消費に占める割合の変動が少ないというところです。
米、みそ、しょうゆ、豆腐の消費は景気の変動によって
あまり影響されないんです。
景気が悪くなると少しでも安いものというようにはなるんですが
消費の量、割合という点では変動が少ないんです。
おかしとかケーキとかは変動があるんですが、
豆腐の消費は定期的にずっとあるんです。

それとふたつめは、商品のコンセプトに
変更がないということなんですね。
きぬごしと木綿、これはずっと変わらないんです。
おいしい豆腐を作るのは技術ですが、
できあがりの形は変わらない。
おかしなどは、新商品をどんどんつくっていかないといけないですが、
豆腐は同じものを作り続けられる。
原材料から形・コンセプトの変わらない
完成品を継続してつくるということは
見通しをもちやすいし、
憶えた技術や技能を継続させることができます。
常に変わらないというのは、
障害のある人の仕事に向いているんですね。

玉川学園に進出しようというときに、
某スーパー(ちょっと高級志向)で調査したんですが、
たいていの人は150円から200円台の豆腐を買っていくんです。
それで、これはいけるんじゃないかと
それまで260円だったとうふを220円に下げて出店したんです
~豆腐とか卵とかは値段じゃなくて
いいものを食べたいと思う人も多いですよね。

そういう社会的な消費に関心のあるお客さんにつながるようにしていきたいと思うんです。
価値のあるものにお金を使うという意識のある人ですね。
毎日だと高いですが、週に1回、月に一回でもいい豆腐を食べてほしいなと思います。

~注文方法をおしえてください。

とうふ一丁、あげ一枚からでも
町田市内(相原をのぞく)どこへでも宅配します。
定期購入でも都度注文でも承ります。
油揚げも大豆油で揚げていますので、味は全然違いますよ。


③へつづく


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