レストラン シェ・シミズ

緑の多い町田市野津田町。

静かな住宅街の中にこのレストランはあります。

シェ・シミズのシェとはフランス語で

○○宅という意味とだそうです。

「清水さんち」という
気軽に訪れられるフレンチレストランをイメージして

シェフが名づけたそうです。

マダムの清水さんは元教師。

町田養護学校(現:町田の丘学園)で

障害をもつ子どもたちを教えていた先生です。

フランス料理の腕をふるうシェフは

清水さんの息子さんだそうです。

清水さんの教師時代の経験から、

バリアフリーに詳しく素晴らしい設備が整っています。

自宅を改築されつくられた建物はまさに清水さんち。

明るく穏やかなおもてなしを感じるエントランスと

その横には駐車場が2台分。(ほかの場所にも2台分あります)

車椅子やベビーカーでも移動しやすいゆるやかなスロープには

雨でもぬれないように屋根があります。

 

トイレや手洗い場にもたっぷりとスペースをとってあり、

車椅子でも快適に利用できるようになっています。

お店に一歩立ち入るとそこは落ち着いた癒しの空間。

いつも清潔に手入れされ、
お店に着いた瞬間からゆったりした極上の気分を味わえます。

お料理は本格フレンチ。

いろとりどりの野菜がどのお皿にも美しく盛り付けられ

こだわりの素材が生きているやさしい味。

お料理の温度も提供されるタイミングも絶妙。

細かいところまで気配りが行き届いています。

 

「いろぷろじぇくと」では

今年5月に発足のミーティングで利用させていただきました。

そのときは、5名で2台の車椅子で、

しかもほかのお客様もたくさんみえて満席でしたが

ゆっくりと食事と会話を楽しむことができました。

今日はあらためてレッドとイエローでのランチを兼ねた取材です。

ん?取材を兼ねたランチ?

それではここから、オーナーの清水さんへのインタビューです。

記事はイエローがお届けします。

~このお店のオープンはいつごろですか。

2009年4月27日です。

~このお店をオープンしようと思ったきっかけは?

息子が、シェフとして料理の仕事をしていまして、

長いこと北海道のレストランで働いていたんですが、

数年前に主人が亡くなったときに

こちらに戻ってきたんですね。

戻ってきてからも

東京や横浜のレストランに勤めていたのですが、

やはり、自分のやりたいこと、

作りたい料理への思いなんかがあったんでしょうね。

自分のお店をもちたいということになりまして。

最初は店舗物件を探したりもしたんですが、

なにしろ高いですから・・・。

ものすごくお金がかかるんですよね。

で、ここは自宅だったんですけれども、

1階部分を改造してお店にしたんです。

~コーヒーの淹れ方の勉強をされたと聞きましたが

お店をはじめることになって、

シェフはプロで長くやってますけど

私が手伝うということになったときに、

まったくのしろうとでしたから。

接客係の経験もなかったですし。

まあ当然ですよね。

でも、せめておいしいコーヒーを

お客様にお出ししたいなと思って、

カフェのビジネススクール、

「カフェズキッチン」というところに通ったんです。

コーヒーの淹れ方だけでなくて接客全般、運営のこと、

それからおもしろいのでは

カクテルですか?あんなのも教わったんですよ。

~~すごいですね。定年されたあとですよね。

そうですよね。

自分でもまさかこんなことをするとは思っていなかったです。

だから・・・

人生って本当にわからないわよね。

みんなきっとそうですよ。これから何がどうなるか(笑)

ちょっと大変でしたけど、
でも1年くらい頑張ってそこに通いました。

~どんなお店にしたいと心がけていますか

こだわっているのは大きく3つのことです。

まず1つめは、シェフのこだわりとして、
一番大切なのは 食材の安心、安全。

有名なお店でも添加物はわりと使われているようで、

シェフはそういうのをみていて、
自分では使いたくないと思ったんでしょうね。

手間がかかっても
コンソメなどからすべてきちんと手作りしています。

それから作り置きはせず、注文を受けてからつくる。

つくりたてのものを食べていただく・・・

あたりまえのことなんでしょうけれど、
そういうことをきちんとやろうと、

「シンプルで 野菜が美味しいフレンチ」 を目指しています。

2つめは 誰もが使いやすいバリアフリーのお店であることです。

現在、3卓16席なんですが、
ここはトイレや手洗いのスペースが広いですし、

通路も車いすが通れるようにたっぷりととっています。

それから、
ゆったり食事ができるようにテーブルも広めなんです。

もう少しトイレなんかも狭くすればもう1卓ふやせるので、

そうしたほうが運営上はいいのではないか・・・

なんて改装業者の方には言われたりもしたのですけどね。

でも、そこは譲らず広いトイレと手洗い場、

ゆったりのスペースのお店にしたんです。

お客様には喜んでいただいています。

3つめは食形態の配慮ですね。

お年寄りや障害がある方の中には

普通の食事が食べにくい方もいますよね。

そんな方へはペースト食で対応させていただいています。

調理済みのものを
ミキサーなどでやわらかくするという作り方もあると思うのですが

そうではなく、
時間をかけて素材を蒸したりして
素材の味そのままにやわらかく調理する

というこだわりを持って対応しています。

時には6時間くらいかけて、

丁寧につくっていることもあるんですよ。

食形態に配慮が必要な方には本当に喜ばれています。

~~どんなメニューなんですか

ほたてのフランリエットムースムースリーヌテリーヌなどです。

(※どんなものかイメージがわかるように

クリックすると検索結果が表示されるようにしています)

~~予約のときにお願いするといいんですね

そうですね。時間がかかりますから、やはり予約のときにおっしゃっていただくといいですね。

他にはアレルギーに対する対応もしています。

~~小さなお子様のメニューもあるのでしょうか

ワンプレートに盛り付けた840円のお子様用メニューがあります。

~さきほど、安心、安全というお話があり、今日もお野菜がとても美しくおいしいかったのですが

食材はどういったものを使用されているのでしょうか。

シェフが長く北海道にいた関係で、北海道の食材が多いです。

あとは、地元の有機野菜を中心に使っています。

素材の味を生かす調理を心がけています。

~清水さんは教師をしていたと聞きましたが、  

そのとき心に残ったこと、

このお店で実現したことなどあったらおしえてください。

人とのつながりを感じます。

学校で知り合った方々がお客様として来てくださり、

再会の喜びがあります。

車椅子の方にも気軽に来ていただけますし。

この場所を使っていろいろなイベントをしているんですが、

学校で知り合った方、またそこからの新しいつながりができたり、

ここで楽しんで、誰かと知り合いまたそこでもつながりができる。

そういう場所でもありたいし、
そういう場所になれることに喜びを感じます。

~素敵ですね。イベントについて詳しくおしえてください

箸袋に絵手紙をつかっているのですが、

それを見た方が「やってみたい」とおっしゃったんですね。

お客様もなかなか増えてこなかったということもあって

絵手紙の会っていうのをやってみたんですね。

月一回講師に今井幸子さんをお迎えして、食事を1時間、

その後の2時間で絵手紙を書くといったような試みです。

すぐにいっぱいになり、もう一回増やしたのですが、

またいっぱいになってしまいました。

そのあと、俳句の会というのをやりまして、

俳句を書いていると

きれいな文字で書きたくなるんですよね。

それで筆の会というのもはじめました。

今では全部いっぱいです。

~~キャンセルまちとかはありますか。

ときどき来られない方もいらっしゃいますから、

そういうときは入っていただけるかもしれないですね。

他にはコンサート、クリスマスコンサートとか影絵とか、
みそ開きとかしています。

~~みそ開き?

みそを作っているのですが、それができたときの香りがとてもいいので

ひとりで感動するのはもったいないなと思って、

みその周りで歌ったり踊ったりする楽しい会です。

「絵手紙の会」・・・月2回開催

講師:今井幸子さん 会費:3000円(ランチ込)

「俳句の会」・・・月1回開催

講師はなし 会費:2500円(ランチ込)

「筆の会」・・・月1回開催

講師:藤田紫芳さん  会費:3000円(ランチ込)

現在はすべていっぱいですが、回を増やす予定もありますので

お問い合わせはシェ・シミズまで。

~今後やってみたい企画などありますか。

イベントは楽しいのですが、やはりレストランとして、

たくさんのお客様に食事を楽しんでいただくことが一番の望みです。

ですから、イベントなしでもいつも満席になるといいですね。

ランチは結構いいんですが、やはりディナーですよね。

ディナーをたくさんの人に楽しんでいただきたいです。

近隣のマンションや団地にポスティングしたりもしたんですよ。

そうしたらやっぱり来てくださる方もいらして。

宣伝も必要ですね。

~最後に秋、冬に向けてのメニュー、誰でも参加できるイベントのお知らせなど、

何かあったらお願いします。

夏のメニューが好評だったため、

今後 秋、冬に向けても 旬の野菜、食材を使った、

シェフの オリジナルメニューを考えています。お楽しみに。

以上、インタビューは ここまでです。

ランチが美味しかったこと、

マダム清水さんの明るい笑顔と、 優しいお人柄を感じて

とても楽しいひと時でした。

皆さんにも ぜひお勧めしたいお店です。

私、イエローもまたお友達と行きたいと思っています。

最後に動画も載せますのでぜひご覧ください。


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